いつかは走ってみたい『世界のあの道この道』第9回ステルヴィオ峠

 イタリア北部、ロンバルディア州と南チロルを結ぶステルヴィオ峠は、つづら折れの連続の果て、最高地点は2758mとヨーロッパ第2の標高を誇る名峠。バイクでヨーロッパを走るなら、絶体に外せないチャレンジングな峠のひとつです。

 フランスのイズラン峠(標高2,770m)に次いでヨーロッパ第2の標高を誇るステルヴィオ峠。中世の時代からこの峠は存在していましたが、危険が伴うルートでした。19世紀になり、このエリアを治めていたオーストリア帝国のフランツ・ヨーゼフ1世は、ウィーンとミラノを結ぶルートとして、1822年に着工。2500人ものエンジニアや労働者の手により、現在の形として1826年に開通しました。1915年までは冬でも雪をかき、年間を通じて通行可能だったそうですが、現在は5月~11月上旬まで開通、冬季は閉鎖となります。

雄大なアルプスを抜ける名ルート、ステルヴィオ峠

 全長47kmに及ぶステルヴィオ峠。北側のスポンディニャから頂上までは48、頂上から南側のボルミオまでは40のコーナーがあり、その一番の特徴は、連続するヘアピンコーナーです。そのほとんどが北側に集中しており、麓から走っていく際には、斜面が巨大な壁のように見えます。

北側の拠点スポンディニャ。イタリア語で峠はPassoです
はじめは杉などの林が続きますが、徐々に視界がひらけます
はじめは比較的緩やかなコーナーですが、徐々にタイトに。壁が見えだしました
ステルヴィオ峠の下段(?)の様子。本番はこれから
ヘアピンコーナーが立て続けに続きます。疲れてきますが、しっかり前方注意!
狭いルートですがバスやキャンピングカーも走っています。コーナーでは注意を!
右側通行です。コーナー手前で上から車がこないか様子をみながら大外周りで!
ルートを振り返ると、よく走ってきたものだ
ダイナミックなルート、ダイナミックな風景が続きます。最高です!
そして、峠の頂上に到着。標高は2758mです!
地元の方から我々ツーリストまで、バイク乗りもたくさん集まります
土産屋も並びます。Tシャツやステッカーがおすすめ
走って疲れたら峠名物?のホットドッグをたべましょう!
後半は少し緩やかになります。ライダーたちとの挨拶も忘れずに
雄大な景色はまだまだ続きます
後半下りは少しリラックスしてリズムよく走れるルート
到着したボルミオはスキーのメッカ。温泉もあります

 ステルヴィオ峠は、バイクだけでなく、サイクリストにとっても有名なルートでありイタリアの自転車レース、ジロ・デ・イタリアでもルートになっています。バイク乗り、自転車乗りの聖地であり、週末の峠の頂上は混みあいます。また、モトグッチやアルファロメオなど、イタリアンメーカーには、ステルヴィオの名を冠したモデルもありますね。

 ステルヴィオ峠一体はステルヴィオ国立公園にも指定されており、晴れれば雄大なパノラマが広がるのはもちろん、標高が高いため、夏スキーも楽しめます。しかし、2017年には熱波のため、初めて夏スキー場が閉鎖になったようです。

雄大なパノラマ。右上はカフェ・レストランのチベット。。

 道祖神のBMWヨーロッパ 5カ国周遊ワインディングは、毎年若干のルート変更はありますが、ステルヴィオ峠は必ず毎年ルートに加える定番ルートです。毎年人気のコースで早々に満席となりますので、お申し込みはお早目に。2021年ももちろん企画します!

BMWヨーロッパ 5カ国周遊ワインディング10日間

 日本では決して体験することのできないダイナミックなルートや景観は、生涯忘れられない道となるでしょう。