いつかは走ってみたい『世界のあの道この道』第11回ユンガスの道(デスロード)

 南米ボリビアの『デスロード」は、一度は名前を聞いたことがあるかもしれません。ボリビアは、アンデス山脈に属する標高4,000mをも超える高地のエリアと、熱帯のアマゾンへと続く低地と、大きく2つのエリアに分けられますが、その2つを結ぶユンガスの道の一部、約40kmの区間がデスロードと呼ばれています。

 1930年代、ボリビアとパラグアイが石油を巡り始まったチャコ戦争。その時のパラグアイ人捕虜により道が切り開かれました。1990年代まで、首都ラパスとアマゾンを結ぶ数少ない道路であり、物資を運ぶトラックや人々を運ぶバスが行き交う重要な道でしたが、断崖絶壁に、道幅は車1台分しかなく、ガードレールもありませんでした。また、低地のアマゾンとアンデス山脈の境にあたるため、雨や霧が多く、見通しが悪くなることが多い場所でもあったため、転落事故などにより年200~300人の方が亡くなるという危険な道のひとつでした。あまりに事故が多く、劣悪な道だったため、20年の歳月をかけて2006年に快適な新道が開通。このデスロードと呼ばれる区間は、今では主にツーリスト向けに、マウンテンバイクで下るツアーが人気です。

人気のマウンテンバイクツアー

ボリビアは右側通行ですが、このデスロードなど、細く曲がりくねった道だけ左側通行になります。左ハンドルの車のドライバーが崖となる左側の路肩を視認できるようにこのシステムが採用されているようです。写真にはありませんが、左側通行となるところでは標識ありますので、注意が必要です。

この写真はデスロードではありませんが、左側通行にかわります。助手席はちょっと怖い…

標高3,600m、すり鉢状の地形が特徴のラパスをスタート
ラパスから3号線を進みます。クンブレ峠4,650mを越えて行きます
雪が残る絶景を楽しめますが、さすがに寒いです
たまに、店がつらなったドライブインもあります
ボリビアではトルーチャ(マス)料理がおすすめ
ここからデスロードが始まります
デスロード
断崖に続く道。崖の高さは600~800m。高所恐怖症の方には向いていません
サポートカーからの視点。車一台分。助手席でよかった…
距離は40km、概ねコンディションのよいダートが続きます
雨が多いエリア。標高が下がり、徐々にアマゾンの気配も
今日の宿、コロイコまであと少し
標高1500mのコロイコに到着。標高3600mのラパスから来ると、たっぷり空気があり快適に過ごせる桃源郷のような小さな町

 ラパスからはこのデスロードだけでなく、走り応えたっぷりの山岳ダートやアマゾンに続く熱帯ダートまで、多様な環境でツーリングを楽しめます。雄大な景色も素晴らしく、また、人々の文化や民俗も特色があり、ボリビアツーリング、おすすめですよ!