いつかは走ってみたい『世界のあの道この道』第4回バオバブ街道

 マダガスカルのモロンダバ近郊には、巨大なバオバブが立ち並ぶ、通称「バオバブ街道」があります。この不思議な形をした巨木が並ぶ風景をバイクで走れるのは、マダガスカルでしか体験できません。

 アフリカの南東約400kmのインド洋に浮かぶマダガスカル島は、世界で4番目に大きな島。古代にゴンドワナ大陸から分裂し、長い間孤立した島であったため、動植物は独自の進化を遂げました。動物の80%、植物の90%が固有種といわれ、ワオキツネザルや横っ飛びするベローシファカといったキツネザルや、バオバブはマダガスカルの大きな見どころとなります。

 一口にバオバブといっても11種があり、そのうちの8種がマダガスカルに存在しています。このバオバブ街道で見られるスラッとしたバオバブは、アダンソニア・グランディディエリという種類で、高いものでは30mを越えます。年輪がないため樹齢がわかりませんが、長いものは数千年にも達するといわれています。バオバブは古くから人々の生活に欠かせない存在でもあり、果実はビタミンやカルシウムが豊富に含まれ、樹皮は煎じて薬にしたりロープにもなります。

スラッとしたバオバブは、アダンソニア・グランディディエリ
聖なるバオバブ。地元の方々にとって大事な御神木
愛し合うバオバブ。こちらはフニという種類です
こちらは双子のバオバブ

雨季には葉をつけるバオバブ

 バオバブ街道はマダガスカルの人々も日常的に使う道ですので、バイクでのんびり走れば、地元の人たちとの交流も楽しめるでしょう。また、ここでの夕日観賞は素晴らしく、太陽が沈んでいくと、バオバブのシルエットが浮かび上がり、忘れられない時となるはずです。

牛車はマダガスカルでは日常風景
バオバブの木のもとで開かれるマーケット散策も楽しい
夕陽が沈む時間。忘れられない感動のひとときになるでしょう
夜には星の王子様の世界に?

 このバオバブ街道沿いには、マダガスカル固有のキツネザルが暮らすキリンディ森林保護区があります。ウォーキングサファリをしながら、シファカやチャイロキツネザルとの出会いも楽しみです。

キリンディ森林保護区もみどころです
チャイロキツネザルなどたくさんの原猿が暮らしています

 今年はマダガスカルへのツアーは企画していませんが、また、このバオバブ街道を走りにオフロードツアーを企画したいと思います。