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イギリス 2025 マン島TTレース観戦ツアー 9日間 添乗レポート

2025年6月1日から6月9日まで、添乗員としてマン島TT観戦ツアーに同行して参りました。今年は11名様もご参加いただき、大所帯となりますので添乗員は2名体制。ホームステイ先もスタッフ含め3か所となり、通常と動きの違う場面もありましたが、大変素晴らしい観戦ツアーになったかと思います。
その際の様子をレポートでお届けします。

小さなプロペラ機に乗り、マンチェスターからマン島へ。
今まで暑かったのに飛行機を出ると寒い!冷たい風がビュンビュン吹いていました。寒くなるとは知っていましたが、ここまでとは…。

プロペラ機にはレース観戦目的の人たちが沢山。

荷物を回収して、空港内のレンタカー受付にて手続き。
外の駐車場でレンタカーを探して、2台に分かれて出発。
ホームステイ先到着後は、家主さんが置いて行ってくれている家の取扱説明書を熟読してちょっとずつマン島流のキッチンや冷蔵庫の使用方法を確かめます。この作業が結構時間がかかって大変なのです(笑)。
ちなみに、レース期間中は家主さんご一家は海外旅行に出かけたりしていることが多いです。

翌日からレース観戦開始!
初日は奇をてらうことなく、レーススタート地点でありメインスタンドの、ダグラスのグランドスタンドへ。会場付近には出店も多く出店しており、観戦以外でも楽しんでいる人たちで賑わっていました。

適当な場所に停めて徒歩で会場へ。車で観戦スポットを回る場合、自由ではあるが駐車場探しも大変。
協賛企業を見るとバイクレースのお祭りなんだなとワクワクしてきます。
フィッシュアンドチップスは驚きの3000円!お祭り価格でしょうか。
グランドスタンド。初日は生憎の曇り空。
選手村のような、選手たちが準備しているエリアにも自由に出入りできる。
マン島TTは場所取りがとにかく大変!
カメラの設定もシビア。何気なくとってもこんな結果に(笑)

ある程度レースを見届けたところで、皆さんと一緒にスーパーマーケットへ。
マン島TTの宿泊がキャンプやホームステイとなると、自炊が多くなるかと思います。毎日行くのも大変なので、大きなお店である程度買い込んで、毎日自炊して…というのが主な生活になります。
普段自炊をしない方も、異国のスーパーで気になった食材を選んで使い慣れない地元の人のキッチンで調理するのは、それだけでも楽しく貴重な経験ですよ!

テスコはイギリス最大手のスーパーマーケットチェーン。下手な観光地より歩いてて楽しいです。

レース観戦二日目以降は、車で各地の観戦スポットを周遊。

ここで少し解説ですが、マン島TTの観戦スポットは数十か所あるので、よく吟味して選び、前夜の内から宿を何時に出て…と作戦を立てなければなりません。
ちょっとでも行動が遅れたりすると、レース開始前の道路封鎖に引っ掛かって移動できなくなったり、良い場所は全て埋まって、行っても何も見えなかったり・・・。
早く行っていい場所取って待機していても、山頂で雨が降っているなど天候が原因でレースが繰り返し順延され、結局6時間後に開始されたり、待ち時間もとんでもないことになることも多いので体力勝負でもあります。快適に待つためのイス、そして飲食物、風雨で消耗しないためのレインウェアなども必須となります。
また、情報戦でもあります。レースがスケジュール通りに開催されているか常に公式のWhatsappやX(旧twitter)をチェックする必要があります。

このように、マン島TTはただ観戦するだけでは終わらない、観戦する側も非常に体力精神力の求められるお祭りでもあります。面白いでしょう?✨

二日目は晴天。有名スポットの一つであるバンガローへ。
山頂までは車よりも登山鉄道が便利。
レース開始直前には運営側のテスト走行でコースの安全が確認されます。
有名なバンガローのビクトリーカフェ。外でもコーヒーなど軽食を販売しています。レース開始までの間の一服に。
カフェの中は既に満室。外で待機するのは寒いので、早朝に来て確保するのがいいかもしれませんね。
現役選手たちを見守るジョイ・ダンロップ像。マン島TTは伝説のレーサーたちの逸話も魅力的なんですよね。

三日目はレース休戦日のため、希望者だけ募ってレンタカーでマン島一周なんちゃってツアー。意外とこれが楽しいんですよね!バイクだと、かっ飛ばしてくるバイクに追突される恐怖(実際にそれで死亡事故も起きています)がありますが、車ならいくらか安心です。丁度雨のため、ある意味観光には最適の日でした。
一周と言っても、島はさほど大きくないため、普通にドライブする程度なら3時間もあればゆっくり回れます。
城が美しいキャッスルタウンや、北のラムジーの町などを見て回りました。

ラムジーの港。
マン島TT関連書籍を多く扱う本屋さん。マン島TT関連書籍を多く扱う本屋さん。パンフレットなどはコンビニにも売っています。
雨上がりのラムジー。建物がとにかくおしゃれですね。
ヨーロッパ圏の街らしく、花が大切にされている気がします。
トリスケリオン(三脚巴。ケルト人が使ったとされる太陽を象徴する紋章)があしらわれたマン島の旗。
キャッスルタウン。城らしい城が小さな港町に建っています。
BMWを入れるとよりヨーロッパらしい景色に。
広場では地元の方々が思い思いに過ごしています。
路地を抜けると・・・
目の前に広がるのはアイリッシュ海。
豊かな海のようです。

夜は(と言っても日没が遅いのでまだまだ明るいです)ダグラス・ベイにてレッドアローズによる航空ショー。車を適当に停めて、歩いて観に行きましたが、物凄い混雑!
しかし、ショーの最中は歓声で騒がしくなることもなく、皆さん静かに眺めていたのが意外でした。
この海岸線には高級ホテルや高級レストラン、観光客用のバーやお土産屋が立ち並んでいます。マンクスキッパーの有名な魚屋さんがあるのもこのあたりです。

バイクに車に人に、中々のカオス。
海外らしいセンスの遊園地も見られます。
本当に矢のように見えるから面白い。

四日目は天気もいいため、バイクがジャンプする場所として有名はバラフブリッジ、景色が美しいグースネックへ。この日も順延も多く、待機時間も長くなり朝から体力を消耗しましたが、最後のグースネックでは夕暮れの中疾走するバイクを目の前で見られて、皆さん大満足でした!最終的に、この日が観戦のハイライトとなりました。グースネックはアクセスが少々大変ですが、観戦場所からの眺めも素晴らしく、おすすめしたいところです。

これが見たかった!長時間待機してよかったと思える瞬間でした。ありえない速さですっ飛んでいきます(笑)
大人気観戦場所の一例。特にバラフブリッジは有名どころでも狭い場所のため、場所取りは至難の業です。
グースネックではサイドカーレースも観戦。二輪とは異なる聞きなれない高音域の排気音でした。荷重移動の様子は必見です。
グースネックからの眺めはとにかく美しい。この景色の中、世界最高峰のレースを見られる贅沢。
いろんな角度から観戦できるのもグースネックのいいところ。躍起になって場所取りせずとも、満足いく場所で楽しめます。
このように土手がスタンドのようになっているためどこからでも観戦しやすいです。
吊られたうさちゃん。グースネックの有名マスコットだとか。

 

そして観戦最終日でありレース最終日!
なのですが・・・結末から伝えると、度重なる順延の末、結局最後のレースは開催されることなくマン島TT終了となってしまいました!
原因は山エリアでの雨とのこと。下界は快晴なだけになんとも歯がゆい・・・泣。
しかし、これも天気に振り回されるマン島TTらしい結果ということで、それはそれで歴史の立会人になったねということで楽しみました。
ちなみに、地元民曰く、最後のレースが開催されないで終わるのは、彼の歴史では2回目とのこと。貴重な経験となりました!

クレグニャッシュの先のマン島南端。
丘には山羊と羊がのんびりと暮らす。
車好きにはレンタカーでのマン島観光もお勧めです。この時は日産ジュークでしたが、道幅の狭いところも多いマン島ではピッタリの車でした。
ピールの街へ。ここにも美しいお城があります。
日本の港町とは全く異なる建築様式の家々が面白い。可愛らしい色が多いですね。
レースの隙間時間にはこういう場所での軽食も楽しいです。田舎だと観光地価格でないため、割と手ごろなお値段で名物を楽しめます。
マン島名物のマンクスキッパー。コーラと合わせて1000円くらいでした。結構なボリュームです。

 

そして翌日、お借りしたホームステイ先のお家を綺麗に現状回復し、鍵を返して空港へ行き、レンタカーを返却して帰路に着きました。

 

なんとも締まりの悪いマン島TT2025となりましたが、前述の通り皆さん歴史の立会人に慣れて逆に喜ばれていたので結果オーライ?だったのでしょうか。

いずれにせよ、このように変化しやすいマン島の天候に振り回されるかつ、場所取りでの待機時間や場所によっては寒さも合わさり、体力精神力が必要なお祭りです!それこそツーリングより大変かも?

しかしそれ故に、毎日計画を立てて各々好きなスタイルで観戦して、一日の終わりにホームステイ先でおつまみでも作って皆さんでその日のレースの話で飲むお酒は格別のものですよ!皆さんクタクタになっても毎日楽しく打上げされていたのが印象的でした。

このご時世でもクラシックスタイルで長い歴史を伸ばしているマン島TT。これから時代の変化で、やはり危険だという声が高まり、いつその歴史に終止符が打たれるかわかりません。
生ける伝説のロードレースです。行けるうちにぜひ行きましょう!
バイク仲間の間でも一生ものの最高の話のネタになりますよ!✨

以上、海外ツーリングの道祖神スタッフ、西村がお届けしました。

道祖神: